映画でパンデミックへの対処能力を鍛えていた!?終末世界を描いたものやパニックムービーなどで予行演習

  • 2020/7/9
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今回は映画の好みがパンデミック時の対応能力に大きく影響していたという研究論文について話します。

サワニ騒動で多くの人達がパニック状態になっている中、ニュースや周りの人達にも影響されずに普段通りの日常を過ごしている人が稀にいます。

パニックになる人と、そうでない人の違いを明確に示すというのは難しいと思いますが、今回ある傾向が発見されました。

映画の世界では、宇宙人の襲撃や小惑星の衝突、ウィルスによるパンデミックまで、終末世界をテーマにした作品が多く生み出されています。

これまで心理学者達は、人々がこうした作品に惹かれる理由を説明しようと研究を重ねてきましたが、これといった答えにはたどり着いていません。

 

そんな中で、新たな研究は、こうした終末世界を描いた映画について、「実際に災害が起きた時の準備をしている」という観点から分析が行われた研究があります。

シカゴ大学では、終末的な世界を描いた映画が、現実のパンデミックに対処する際に、どのように役立っているかを調べてみようと考えられました。

まず、インターネットで実験参加者を募り、オンライン上で調査を行うクラウドサービス「Prolific」を利用して、126人の参加者を集めて彼らの好きな映画ジャンルとサワニの騒ぎをどう感じているかなどを調査しました。

すると、明らかに終末世界を描いた映画のファンたちは、パンデミックに対処する準備が整っているという結果が得られたのです。

研究者によると「良い映画の場合、視聴者は引き込まれて登場人物の視点に立って物語を眺めるため、意図せずに描かれたシナリオの中で、混乱する社会のリハーサルができている」とのことです。

こうした映画のファンを自称する実験参加者たちは、パンデミックが起きた際にトイレットペーパーを除き、どういった物資が不足しがちかということについて、かなり正確な知識を持っていました。

また、ウィルスの蔓延した社会では人々が孤立しがちになり、他者に異常な恐怖を覚えるようになること、どういった偽情報が広まりやすいかなど、危機に冷静に対処するための役立つ知識も備えていました。

 

サワニ騒動がおこってから数週間で売り上げが急増したというマット・デイモン主演の2011年公開の映画「コンテイジョン」では、まるで今の状況を予見していたのではないか、と言われるくらい感染症の拡大で混乱する世界をうまく描いているのですが、この映画の中でも、誤った奇跡の治療法が拡散されて混乱が起きるシーンが登場します。

これは今回のパンデミックで世界に流れた、「HIV治療薬や抗マラリア薬が特効薬になる」というデマ情報と似た印象を受けます。

このような情報がニュースで流れると多くの人達は情報に踊らされるのですが、

すでに映画で疑似体験をし、トレーニングをしている状態の人達は、「この情報は確かなのか」と分析する心構えができています。

 

また、研究ではパンデミックの混乱や自粛生活の中で、人々が感じている不安、うつ、苛立ち、不眠のレベルなどについても調査されました。

すると、この調査においても、終末映画のファンは他の人達より精神的な苦痛が少ないという結果が得られたのです。

彼らは社会が崩壊することに対して精神的にも実用的にも準備ができていて、より柔軟に対処できていたといいます。

このため、研究者は人々が終末論的な映画に惹かれる理由の1つとして、社会的な混乱を安全に体験して準備するためだという考えを示しています。

いざ目の前に非日常的な危機が迫ったとき、こうした映画に慣れ親しんでいる人は「この状況知ってるような気がする」という身についた感覚で対処できると思われます。

映画を通して世界の混乱した状況の予習ができているのです。

映画や漫画などの仮想世界は想像力を養う力を持っています。

世界の終わりがシミュレートできている人たちは、そうでない人たちと比較したとき、一つの経験を通して有利な位置に立つことができるのかも知れません。

パンデミックは、2波、3波とまだ続くと思われます。

皆さんも一度予習してみてはどうですか?

 

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