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「痒み」のメカニズム「体中の皮膚を擦ると”かゆみ”が治まる効果」アトピー、虫刺され、かゆみ対策
- 2020/9/11
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今回は、実用的なテーマを取り上げてみました。
最近ちょうど、足に複数個所虫刺されがあってタイムリーな情報でしたので、シェアしようと思った次第です!
虫刺されによる痒みって、ひどい時は意識を全部持っていかれますから最悪です。
今日はまさにそんな状態だったのですが、ラッキーな事に天から情報が舞い降りてきました!
痒みを止めるためには患部を爪で引っ掻くのではなく、別の皮膚を擦るだけで効果があるという研究結果が発表されたというのです!
9月7日に「Journal of Neuroscience」に掲載された論文によると、かゆみを脳に伝達する「かゆみ経路」が、別の場所の皮膚摩擦によって抑制されることが分かったそうです。
かゆみは、皮膚トラブルの最も典型的な例であり、古くから多くの対症療法が考案されてきました。
その中で、最も簡単で安全かつ効果的な方法として皮膚摩擦が知られています。
かゆみを感じる時に、体のあちこちの皮膚をこすると、自然とかゆみが緩和されていくという不思議な現象が起こるというのです。
しかし、この摩擦によるかゆみ抑制の背後にあるメカニズムは解明されていなくて、伝承医療として引き継がれてきました。
そこで今回、研究者たちは皮膚摩擦がかゆみを抑制する仕組みの本格的な解明に臨みました。
実験にあたってはまず、マウスにかゆみを誘発する化学物質を注射。
すると化学物質の反応によってマウスは凄まじいかゆみに襲われ、激しく後ろ足で体を引っ掻くような動作をはじめます。
この時、マウスの脊髄を生きたまま開いて神経活動を観察すると、かゆみを脳に伝達する脊髄の「かゆみ経路」が大きく活性化している様子が見られました。
マウスが行動学的にも神経学的にも、かゆみに囚われているのを確認すると、マウスの足裏に対して軽い皮膚摩擦を行いました。
古くからの対症療法が正しければ、摩擦によってマウスのかゆみが抑制されるはずです。
しかし、足裏摩擦の結果、かゆみ経路の活動は一時的に大きく活性化してしまいました。
これは、かゆみ経路に一般的な皮膚感覚を通す役割もあるために、かゆみに加えて足裏摩擦の刺激が増えたことで、経路がさらに活発化したためです。
全身に激しいかゆみを感じているなかで、足裏摩擦をされたマウスがどのように感じたかはわかりませんが、足裏摩擦を止めると、ある変化が起こりました。
足裏摩擦を止めた直後から「かゆみ経路」の神経活性が、化学物質を打っていない通常時以下にまで、低下していたのです。
つまり、これは神経学的には、かゆみが低下している状態を意味していました。
しかし、効果の検証にはさらなる証拠が必要でした。
目指すところは、マウスが自分の体を引っ掻く動作を止めることです!
そこで研究者はマウスの皮膚の下にある感覚神経を直接刺激してみることにしました。
皮膚の感覚神経を直接刺激できれば、足の裏を刺激するより効果が期待できると考えたからです。
従来の神経刺激は、神経に電極を突き刺すといった方法が用いられてきました。
しかし、今回は光で神経を刺激する最新の光遺伝学(オプトジェネティクス)的な手法で行われました。
電極と比べて、光遺伝学的な手法は苦痛がありません。
光遺伝学、オプトジェネティクスとは光(オプト)を使った遺伝学(ジェネティクス)のことです。
遺伝子操作により神経細胞に光活性化タンパク質を発現させ、その神経細胞に光を当てることによって、神経細胞の活動をコントロールする技術です。
光で感覚神経を刺激されたマウスは、もう体を引っ掻く動作をしなくなり、かゆみ経路の神経活性も下がりました。
このことから皮膚摩擦や皮膚神経の刺激は、かゆみを効果的に抑制できることが示されました。
また、今回の研究ではより詳細な調査も行われ、かゆみを脳に伝達する「かゆみ経路」の正体が、プルリトゲン応答性ニューロンだという事実も突き止められました。
プルリトゲンが分泌されると、かゆみを引き起こすことが知られていて、プルリトゲンを阻害する薬はかゆみ止めに使われていた実績があります。
そのため皮膚摩擦は、このプルリトゲン応答性ニューロンに対して、鎮静化作用を与える働きをすると考えられます。
今回の研究により、皮膚摩擦が優れた効果をもつことがわかりました。
この成果は、蚊に目の周辺を刺された時やデリケートな部分がかゆい時などに役立てることができます。
目の周りは傷つきやすい粘膜で覆われ、爪で引っ掻くことも、かゆみ止めを塗ることもできません。
しかし今回の成果を応用すれば、他の体の皮膚を摩擦することによって、目のかゆみを抑えられる可能性があります。
もし、虫刺されや湿疹が出たら、皮膚摩擦を試してみてください!
私の足の痒みは、ましになりました!
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