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「遺伝子ドライブ」種を絶滅させる事が可能に!?
- 2020/5/25
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今回は遺伝子を書き換え、生態をコントロールできるという「遺伝子ドライブ」について話そうと思います。
遺伝子ドライブとは、特定の遺伝子が偏って遺伝する現象です。
この現象が発生すると、その個体群で特定の遺伝子の保有率が増大。
人為的に遺伝子ドライブを発生させることで、遺伝子を追加、破壊、または改変し、個体群、生物種全体を改変することができると考えられています。
この遺伝子ドライブの研究は、伝染病の根絶や絶滅危惧種の保護への活用が期待される一方で、生態系に破滅的結果をもたらす危険性も指摘されています。
その研究にアメリカの国防総省とビルゲイツ財団が巨額の資金を投じているのです。
この時点でこの研究がどう利用されようとしているのか見えてくるものがあります。
遺伝子ドライブは、動物の交尾によって遺伝的指示が伝播することで目的を果たします。
例えば、遺伝子ドライブでオスだけが誕生するようにすれば、メスが不足してその種の生息数は急減します。
アフリカで多くの子供達の死亡原因になっているマラリアが伝染しないよう、蚊を改変できる可能性もあります。
エスベルト教授は、遺伝ドライブ研究は、透明で社会全般の意見にオープンであるべきだと主張し、蚊が誤って放たれた場合の遺伝的バイオハザードのリスクを警告しています。
遺伝的「バイオコントロール」の手法は、生態系を乗っ取り、在来種を絶滅に追いやっている蚊、ネズミ、ヒキガエル、魚などの侵入生物種を駆逐する方法として、自然保護活動家にも注目されています。
ハワイで開催された国際自然保護連合の世界自然保護会議で、非営利団体のアイランド・コンサベーション(Island Conservation)は、オスだけを生むようにネズミを遺伝子操作するプロジェクトを開始したと発表。
アイランド・コンサベーションは、鳥やトカゲを捕食するげっ歯類を、遺伝子ドライブで島や群島から駆除できると考えているようです。
他にも、鳥類マラリアに侵されている諸島内に残る在来種の野鳥を救うためにハワイから蚊を根絶したいと考えている研究者もいます。
しかし、地球の友(Friends of Earth)のエーリッヒ・ピカ会長は「遺伝的絶滅のテクノロジーは間違いで、生物の多様性を損失する問題を起こす危険な解決策である」と、遺伝子組換え食品に反対する運動の活動家が署名を集めた文書で述べました。
遺伝子ドライブをめぐる議論は、遺伝子組換え食品をめぐる議論と同様に激化し、地球全体にもたらす影響も、遺伝子組み換え作物(GMO)に匹敵する可能性があります。
つまり、遺伝子組み換え植物のように、遺伝子ドライブは人類が享受する自然環境に影響を与える可能性が高いのです。
アメリカ国防総省がこの研究に巨額の資金を投入するのは遺伝子ドライブが「大量破壊・拡散兵器」に関する脅威として扱っているためで、米国防高等研究計画局(DARPA)は、事故または悪意により、予期せぬ遺伝子ドライヴが環境中に漏洩することを防ぐための、より安全なシステムの設計やツール開発に使われる見込みだとしています。
では、ビルゲイツ財団の目的は何なのでしょうか?
ビルゲイツ氏が資金を提供する「ターゲットマラリア」プロジェクトは、ロンドンのインペリアル・カレッジを本部に、マラリア蚊のデオキシリボ核酸(DNA)を改変し、オスを無精子化する方法を模索してきました。
改変されたDNAを持つマラリア蚊が野生に放たれれば、遺伝子ドライブによりマラリア蚊はやがて絶滅するというものです。
種を絶滅させることができるのです!
ビルゲイツ財団のターゲットマラリアへの総投資額は7500万ドル。
遺伝子ドライブテクノロジーへの投資額としては、国防総省よりも多く、最大の規模です。
ビルゲイツ氏は2029年までにアフリカで蚊が媒介する病気の根絶用に遺伝ドライブの使用承認を受けたいとしています。
遺伝子ドライブは、マラリアを媒介する蚊を根絶させたり、ネズミなどの外来侵入種をコントロールできる可能性を持つ遺伝子改変技術ですが、その自己増殖的な特性のために、無限に広がって世界中のターゲット生物種に影響が及んでしまう危険性が懸念されています。
2018年には、遺伝子ドライブにより実験室でマラリアを媒介する蚊を絶滅させることに成功したとの論文が発表されています。
さまざまな応用が期待される一方で、生物種全体を遺伝的に改変することに対する懸念も大きいようです。
誤って実験室から野外に遺伝子ドライブが流出した場合、生態系全体に広く影響をもたらす危険性も指摘されています。
いずれにしても、この技術が悪用されれば人類をも絶滅させることができる可能性を秘めているということだけは事実です。
あなたはこの遺伝子ドライブについてどう思いますか?
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